要介護3とは?認定基準と日常生活の特徴、介護サービス・費用まとめ

2026.03.27

この記事でわかること

要介護3は「ほぼ全介助」が必要な段階です。本記事はまず“定義・認定基準・要介護2、4との違い”を整理し、日常生活で起きやすい困りごとを可視化します。
また、「訪問・通所・短期入所・施設入居」の使い分けと費用の目安を示し、支給限度額や自己負担の考え方を解説。家族が取るべき行動やよくある質問についてもまとめて解説します。

要介護3は「ほぼ全介助」が必要な段階であり、身体・認知機能の低下が進んでいる


要介護3は、食事・移動・排せつ・入浴など、日常の多くで他者の手助けが欠かせない段階です。身体機能だけでなく、認知機能の変化も伴いがちで、見守りや声かけが日常的に必要になります。
在宅で生活を続けることは可能ですが、介助量は大きく、家族だけで抱え込むと負担が偏りやすいです。早い段階から公的サービスや福祉用具を組み合わせ、無理なく続けられる体制を整えることが要点になります。

要介護2と要介護3の違い:「部分介助」から「全体的な介助」への移行にある

要介護2では“できる場面”がまだ多い一方、要介護3は介助が必要な場面と時間が増えます。移乗やトイレ動作は常時付き添いが必要になることも珍しくありません。
住環境の見直し(手すり・段差解消・動線整理)で事故リスクを下げ、介助の負担を軽減しましょう。ケアマネと優先順位を決めると迷いません。

要介護3では歩行・排せつ・入浴のほぼすべてに他者の手助けが必要になる

屋内の移動は、杖や手すりだけでは難しく、介助者の支えや車いすを使う場面が増えます。トイレは“行ける・座れる・拭ける”の各工程で介助が必要になることが多く、失禁ケアや夜間対応も課題になりやすいです。
入浴は転倒リスクが高いため、浴槽への出入り・洗身・洗髪のサポートが基本です。手すり・シャワーチェア・バスボードなどを組み合わせると、負担を大きく減らせます。

要介護3と要介護4の違い:「介助の範囲」と「移動の自立度」にある

両者の境目は、移動や移乗の“自立度”です。要介護3でも介助があれば立位や短距離の移動が可能なことがありますが、要介護4では立ち上がり自体が難しく、寝たきりに近い生活が中心になりやすいです。
この差は、必要なサービス量や福祉用具の種類、家族の介護負担に直結します。状態が変化したら、ケアマネジャーと早めに見直しを行いましょう。

要介護4では立ち上がりが難しく、寝たきりに近い状態が多い

ベッドから車いすへの移乗や、トイレ・浴室への移動に大きな介助を要します。褥瘡(床ずれ)や関節拘縮の予防、体位変換や見守りの頻度も増えます。
この段階では、在宅と施設のどちらが適切か、家族の体力・就労状況も含めて総合的に検討することが重要です。

要介護3の認定は一次・二次判定を経て決まり、介護時間の基準は70〜90分

認定は、訪問による認定調査の結果(一次判定)と、医師の意見書・個別事情を加味した審査会(二次判定)で決まります。要介護3の基準時間は概ね「1日あたり70〜90分」の介護を要する目安とされます。
ただし生活環境や同居状況、合併症で必要量は上下します。困りごとは頻度・時間・危険度で具体的に伝えると適切な判定につながります。
参照元:厚生労働省介護保険制度における要介護認定の仕組み

リハビリ・適切な栄養・社会参加により介護期間の延伸を防ぐことが可能

筋力や嚥下機能を保つ軽い運動、十分なたんぱく質・水分の確保、日中の活動量アップは、寝たきり化の予防に役立つことが期待されます。無理のないデイサービス利用や短時間の散歩でも効果があります。
家族の負担を下げながら、本人の「できる」を守る。この両立が、生活の質を左右します。

要介護3で利用できる介護サービスは「訪問・通所・短期入所・施設入居」の4系統が中心になる


在宅継続なら、訪問介護・訪問看護・デイサービスを軸に組み立てます。短期入所(ショートステイ)を挟むと、家族の休息とリセットがしやすくなります。
施設入居も早めに候補化しておくと安心です。状態や家族体制の変化に合わせ、在宅と施設を行き来できる“逃げ道”を用意しておきましょう。

在宅介護では訪問介護とデイサービスを組み合わせて生活を支える

訪問介護は移乗・排せつ・入浴などの身体介護と、掃除・洗濯・買い物の生活援助を状況に応じて配分します。訪問看護を足すと、服薬・創傷・健康管理までカバーできます。
デイサービスは機能訓練や入浴、昼食、見守りをまとめて担う存在。平日と休日で役割分担し、ムリのない週間リズムを整えましょう。

デイサービスは週2〜3回の利用が一般的で、介護者の休息にもつながる

入浴や機能訓練、交流の機会を確保しつつ、家族はその時間に休息・通院・買い出しが可能になり、共倒れを防ぐことが可能です。送迎つきの事業所を選ぶと、移動負担も減ります。
曜日固定にすると生活が安定します。状態が変われば回数や時間帯を素早く見直してください。

要介護3以上で特別養護老人ホームへの入居資格が得られる

原則として要介護3以上が入居要件(例外規定あり)。医療・看取り対応の有無、リハビリ体制、生活の自由度は施設ごとに差があります。

在宅と並行しながら申込みを進めると、いざという時に選択肢を確保できます。

特養は費用が抑えられる反面、待機者が多く早期申請が重要

空室状況や優先順位のルールを事前に確認しましょう。個室か多床室かで月額が変わり、補足給付の対象かどうかもポイントです。
“第一志望+第二志望+近隣の穴場”の3本立てで申請しておくと、機会損失を防げます。

福祉用具レンタルや住宅改修を活用して自宅での生活を安全に維持する

介護ベッド、マットレス、車いす、スロープ、手すりなどを状態に合わせて選定。専門職のアセスメントを受けると、過不足のない導入が進みます。
浴室や玄関、トイレの“つまずきポイント”を写真で共有すると、提案の精度が上がります。

車椅子・介護ベッドなどはレンタル可能、手すりや段差解消は補助金対象

レンタルは状態変化に合わせて交換しやすいのが利点。住宅改修は上限枠の範囲で自己負担を抑えられることがあります。
見積は複数社を取り、図面と動線図を添えてケアマネに相談すると、審査や手続きがスムーズです。

要介護3の費用は月額約11〜15万円が目安で、介護保険の支給限度額内で調整する

①在宅介護の費用モデル

費用目安 介護保険支給限度額:270,480円/月
自己負担 1〜3割
特徴 限度額を超えると全額自己負担

ケアマネジメントと月次管理で調整

⓶施設介護の費用モデル

費用目安 特養:月約14.7万円

有料老人ホーム:月約18万円前後

自己負担 利用料に応じた自己負担あり
特徴 24時間の見守り・夜間対応・医療連携

在宅の自己負担は原則1〜3割。サービスの回数・時間や保険外の支出で月額は変わります。施設は食費・居住費などが上乗せされやすく、総額は高くなる傾向です。
家計の安定には、支給限度額の枠内で“ムダなく配分する”視点が不可欠です。

参照元:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定について」

参照元:厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索」

自己負担は1〜3割で、支給限度額は月270,480円まで利用できる

要介護3の支給限度額は月270,480円(在宅サービスの目安)。この枠内の1〜3割が自己負担です。所得区分により負担割合が変わるため、負担割合証で確認しておきましょう。
ケアプランの段階で、限度額に対する“残り枠”を月次管理すると、使い過ぎを防げます。

限度額を超えると全額自己負担になるため、ケアマネと計画的に利用する

例外なく“超過分は全額”になるため、週単位の配分が大切です。通院が重なる月や、ショートステイを組み込む月は、前月のうちに調整しておくと安心です。
明細は“合計点数”と“自己負担額”の両方をチェックしましょう。

在宅介護より施設入居のほうが費用は高いが、家族の負担を軽減できる

24時間の見守り・夜間対応・医療連携など、施設ならではの安心があります。家族の就労や体力を守れるメリットは大きく、在宅で限界を感じる前に検討しておくと選択肢が広がります。
短期入所を“お試し”として使い、本人の適応を見てから長期入居へ進むケースも一般的です。

特養は月約14.7万円、有料老人ホームは月18万円前後が相場

金額は地域・居室・食費・加算で大きく動くため、あくまで“参考レンジ”です。医療対応が厚いほど費用は上振れしやすい傾向があります。
資料請求で月額・初期費用・医療体制・レクリエーション内容を並べ、総合的に判断しましょう。

おむつ代や医療費など、介護保険外の出費も事前に把握しておく

消耗品、通院交通費、薬代、口腔ケア用品、衛生用品などは見落としがちです。月1回の棚卸しで平均額を把握し、家計の固定費に組み込みましょう。
高額介護サービス費や高額療養費の活用で、上限管理も忘れずに。

要介護3の生活実態は「自立支援と家族負担軽減の両立」が鍵になる


“できる動作”は維持しつつ、“危険な動作”は介助で補う。この線引きが、本人の自尊心と安全の両立に直結します。家族は、介助のやり方が負担を大きく左右するため、専門職からコツを学ぶのが近道です。

在宅介護は身体的・精神的負担が大きく、共倒れを防ぐ支援体制が必要

介助の量が多いほど、介護者の休息と外出の機会が不足しがちです。デイやショートステイを“計画的に”入れて、週の中に休息日を確保しましょう。
見守りのシェアや地域のボランティア支援も、上手に頼ってください。

夜間見守りや緊急通報システムを導入し、家族の安心を確保する

離床センサー、見守りカメラ、緊急通報ボタンは、夜間の不安を大きく下げます。転倒や徘徊の兆しがあれば、早期に導入を検討しましょう。
“人+機器”の併用が、無理のない見守りに役立ちます。

要介護3の家族が取るべき行動は「専門家と連携し早期に生活設計を立てること」


まずは地域包括支援センターへ相談し、ケアマネジャーと現状を棚卸し。在宅と施設の両にらみで、半年〜1年の計画を作ると、急変にも対応しやすくなります。

地域包括支援センターやケアマネジャーに相談してケアプランを最適化する

“優先度の高い困りごと”から時間と回数を配分し、無駄を削ります。制度の最新情報や助成の活用も、専門職が最短ルートを示してくれます。
状態が変わったら、担当者会議で即見直しを。スピードが必要です。

介護費用の軽減制度(高額介護サービス費・障害者控除)も同時に確認する

上限制度の活用や、税の控除を漏れなく使うと、年間負担のブレが抑えられます。必要書類の保管・申請時期の管理を、家族で分担すると続けやすいです。
医療の明細と介護の明細を“同じフォルダ”で管理すると、申請もスムーズになります。

介護施設の資料請求と見学を行い、費用・サービス・待機状況を比較する

特養・老健・介護医療院・有料老人ホーム・サ高住で、費用構造や医療体制は大きく異なります。3施設以上を同時に並べると、違いが見えてきます。
見学は“平日・休日”“昼・夕方”など時間帯を変えると、実際の雰囲気がつかみやすいです。

入居を前提にした資金計画と家族の介護方針を明確にしておく

初期費用の有無、月額の上限、看取りの希望、面会の頻度など、事前に合意形成を。緊急時の連絡先や、医療・介護の意思表示も、書面で共有すると判断がぶれません。
“いつ移るか”の目安も、家族で言語化しておきましょう。

要介護3に関するよくある質問

迷いやすいポイントを、端的に整理します。詳細は担当者に必ず確認してください。

要介護3は在宅介護可能?

ヘルパーやデイサービス、助成金や介護保険を活用すると在宅介護が継続しやすくなります
可能です。ただし“家族だけで頑張りすぎない”ことが継続のカギ。訪問・通所・短期入所を組み合わせ、休息を計画的に確保してください。状態に応じて、施設の並行検討も早めに動くと安心です。

要介護3の一人暮らしは可能?

訪問介護サービスの活用、見守り機器の設置、デイサービスへの定期的な通所やショートステイ、こまめなケアマネージャーとの連絡等、ご本人の意思を尊重し柔軟にサービスを組み合わせることにより可能です。
安全確保が最優先です。離床センサーや緊急通報、見守りカメラなど、機器の併用でリスクを下げられます。隣・親族・地域ボランティアとも連携し、孤立を防ぎましょう。

要介護3は月いくらもらえる?

要介護3の場合、1カ月の支給限度額は【27万480円】です。利用者は1割が自己負担となり、限度額いっぱいまでサービスを利用した場合は27,048円を支払うことになります。一定以上所得がある利用者の場合は2割、または3割負担になります。
この金額は在宅サービスの“枠”であり、現金給付ではありません。施設入所や保険外費用は別途かかります。最新の負担割合や上限は、自治体の案内で必ず確認しましょう。
参照元:厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索」

まとめ:最適なサービスを受けるために、ケアマネジャーと話し合い、本人と家族の状況にあったケアプランを作成してもらいましょう。

要介護3は、支援の“量と質”が生活の安定を左右します。訪問・通所・短期入所・施設の選択肢を冷静に比較し、支給限度額の範囲で最適化することが現実的です。
ケアマネ・主治医・リハ・栄養士とチームをつくり、無理のない“続けられる介護”を一歩ずつ形にしていきましょう。

まずはお気軽にご相談ください