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デイケアとは?目的・対象者・サービス内容をわかりやすく紹介

2026.05.15

この記事でわかること

この記事の監修者
監修
石井 麻衣
介護福祉士
デイサービスおよび訪問介護にて10年以上の実務経験。身体介助、食事介助、入浴介助に加え、認知症利用者への対応に従事。誤嚥予防や褥瘡対策など日常ケア領域の実務に携わり、在宅・施設双方の現場経験を有する。


「最近、歩くのが遅くなった気がする」「退院後、このまま家で生活できるか不安」
高齢の家族を見守る中で、こうした悩みを感じたことはありませんか。
デイケアは、医師の指示のもとでリハビリ専門職による支援を受けながら、自宅での生活を続ける力を支える通所サービスです。介護保険制度では「通所リハビリテーション」と呼ばれ、身体機能の維持や回復を目的に、計画的なリハビリが行われます。
一方で、「デイサービスとの違いが分かりにくい」「誰が対象なのかよく知らない」と感じている人も少なくありません。制度や目的を正しく理解していないと、本来受けられる支援を見逃してしまうこともあります。
この記事では、高齢者向けのデイケア(通所リハビリ)を中心に、目的・対象者・サービス内容・費用の考え方・デイサービスとの違いをわかりやすく整理しました。これから利用を検討する本人や家族が、「自分たちに合った選択」ができるよう、無理なく理解できる内容で解説していきます。

デイケアは医師のもとでリハビリを行う医療型通所サービス


デイケアと聞くと、介護保険を利用する『通所リハビリテーション』と、医療保険を利用する『精神科デイケア』等がありますが、本記事では、高齢者の在宅生活を支える介護保険の「通所リハビリテーション(デイケア)」について解説します。
通所リハは、要支援・要介護認定を受けた高齢者が、医師の指示のもとでリハビリ専門職による訓練を受けながら、自宅での生活を続ける力を維持・回復することを目的とした通所サービスです。
病院や介護老人保健施設などに併設されていることが多く、体調や身体機能の変化を医師が把握しながら、計画的なリハビリを進められる点が特徴です。

デイケアは通所リハビリ(通所リハ)として位置づけられる

デイケアは、介護保険制度の中で「通所リハビリテーション」として分類されるサービスです。医師の指示のもと、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が連携しながら、身体や認知機能の改善に向けて計画的な訓練を実施します。
機能訓練だけでなく、日常生活動作の訓練や社会参加の支援も含まれ、総合的なリハビリを受けられます。自宅での生活を続けるために必要な体力や動作の維持を目的としており、退院後のフォローとして利用されることも多いサービスです。

リハビリ専門職(PT・OT・ST)が計画的に支援

デイケアでは、リハビリ専門職であるPT(理学療法士)、OT(作業療法士)、ST(言語聴覚士)が利用者の状態を評価し、個々の課題に合わせた訓練を実施。歩行訓練や筋力トレーニング、上肢の動作練習、食事や発声の訓練など、専門的な支援を受けながら機能回復を目指します。
専門職が継続的に経過を確認するため、状態の変化に応じてプログラムを柔軟に調整できる点も特長です。家庭での生活を維持するためのアドバイスも受けられるため、在宅生活を支える重要な役割を担います。

石井 麻衣
石井 麻衣
リハビリは続けることで効果が出やすいため、「頑張りすぎない範囲」で習慣化することがポイントになります。日常生活とのバランスも意識したいところです。

介護保険デイケアは要支援・要介護の人が対象

介護保険を利用するデイケアは、要支援1・2、要介護1〜5の認定を受けた人が対象です。主に身体機能の回復や維持、日常生活動作の改善を目的としており、退院後のフォローとして利用されるケースも多くあります。
リハビリ専門職が継続的に状態を評価し、個別のプログラムで訓練を進めるため、機能の低下を防ぎやすい仕組みです。
さらに、送迎サービスを利用できることが多く、家族の負担軽減にもつながります。自宅での生活を長く続けたい人に適した支援を受けられる点が大きな魅力です。

デイケアとデイサービスの違い|目的・リハビリ内容・費用を比較

項目 デイケア デイサービス
正式名称 通所リハビリテーション 通所介護
主な内容 機能維持・回復を目的にリハビリや支援が行われる 入浴・食事・見守りなど生活支援の比重が大きい
サービスの目的 機能改善 生活支援

デイケアとデイサービスはどちらも通所型の支援ですが、提供される目的や内容に明確な違いがあります。

デイケアは介護保険の「通所リハ」デイサービスは介護保険の「通所介護」

高齢者向けに一般的に言うデイケアは、介護保険の「通所リハビリテーション(通所リハ)」です。医師の関与とリハビリ専門職の配置が特徴で、機能維持・回復を目的にリハビリ計画に沿って支援が行われます。
一方、デイサービスは介護保険の「通所介護」で、入浴・食事・見守り・交流など生活支援の比重が大きい点が特徴です。

リハビリ・医療行為の有無で選び方が変わる

デイケアとデイサービスの大きな違いは、医療職の関与や専門リハビリの提供があるかどうかです。
デイケアでは、理学療法士や作業療法士が個別に評価し、歩行訓練や筋力強化、飲み込みの訓練など専門的なプログラムを実施することも。医療的な管理が必要な場合にも対応できるため、健康状態が不安定な人に向いています。
一方、デイサービスは機能訓練があっても簡易的な内容で、生活の補助や交流が中心です。目的が「機能改善」なのか「生活支援」なのかによって、利用するサービスが大きく変わる点が重要です。

デイケアの費用相場と自己負担割合


デイケアは介護保険を利用する通所サービスのため、自己負担割合は原則1〜3割です。
費用は要介護度・利用時間・リハビリ内容・加算の有無によって変動しますが、1割負担の場合、1回あたりの料金は800〜1,500円前後が一般的です。
個別リハビリの時間が長い場合や、医師の指示による専門的な訓練が多い場合は、さらに加算が付くことがあります。
送迎や食事の有無も総額に影響するため、事前に費用項目を確認しておくことが重要です。

基本料金の相場は要介護度・利用時間に応じて1回あたり数百〜数千円

介護保険デイケアの基本料金は、要支援・要介護の区分と利用時間によって決まります。要支援では比較的軽い訓練が中心となり、料金も低めに設定されています。要介護度が上がるほど、必要な介護量や訓練の密度が高くなり、基本料金も上がる仕組みです。
また、1〜2時間の短時間利用と6〜7時間の長時間利用では料金に大きな差が生まれます。通所時間が長い場合は食事提供が加わり、追加料金が必要になるケースも。利用者に合った時間帯を選ぶことで、費用を調整しやすくなります。

デイケアの自己負担は所得区分に応じ1〜3割

自己負担割合は、利用者の所得によって1〜3割の設定です。一般的には1割負担の人が多いものの、高所得層は2〜3割となり、同じサービスでも支払う金額に大きな差が生じます。
特に長時間利用や専門的なリハビリが多い場合は料金が高くなりやすいため、負担割合の確認をしておくことが大切です。
また、高額介護サービス費制度が適用される場合もあるため、一定額を超えた際には負担が軽減される可能性があります。制度を理解しておくと、無理のない利用計画が立てやすくなります。

費用が変動する主な要因は利用時間や訓練内容などによる

デイケアの費用は、基本料金だけではなく、利用時間や訓練内容によって変化します。個別リハビリの時間が長いほど加算が多く適用され、料金が高くなる場合も。
さらに、入浴介助、口腔機能向上、栄養改善などの加算が加わることもあり、利用者の状態に合わせて費用総額が上下します。
送迎の距離や回数、施設独自の追加サービスが料金に影響するケースもあるため注意が必要です。費用がどの部分で増減するのかを把握しておくことで、予算と内容のバランスを取りやすくなります。

自己負担を抑えるために加算内容の確認や送迎・食事の有無を検討

費用を抑えるためには、加算項目の内容を理解し、必要なサービスを見極めることがポイントです。加算は手厚い支援を受けられるメリットがありますが、すべての利用者に必ず必要というわけではありません。
また、送迎や食事を利用するかどうかも費用に大きく関わるため注意が必要です。自宅から近い施設を選ぶことで送迎費を抑えられる場合があり、食事を利用する時間帯を調整することで料金を低くできるケースもあります。
無理のない範囲で最適な内容を選ぶことで、継続しやすい利用計画を立てましょう。

介護保険デイケアの申込の流れを確認

デイケアを利用するためには、介護保険か医療保険のどちらを使うかによって申込方法が異なります。介護保険デイケアの場合は、まずケアマネジャーに相談し、利用目的や状態を踏まえて計画を立ててもらうことが大切です。
医療保険デイケアでは、主治医の診断や指示書が必要となり、医療機関と連携しながら利用を進める流れになります。いずれの場合も、必要書類を早めに揃えておくことでスムーズに手続きが進みます。

介護保険デイケアの申し込みはケアマネジャーを経由して行う

介護保険を利用するデイケアでは、ケアマネジャーが申し込みの中心です。利用者の状態を評価し、必要なリハビリ内容や通所頻度を考慮しながらケアプランを作成します。
施設との連絡や利用調整もケアマネジャーが行うため、初めての申込でも安心して進められます。また、利用前には施設での面談や見学が行われ、利用者の状態に合ったプログラムが組まれる仕組みです。
専門職のサポートがあることで、利用開始までの流れを滞りなく整えられます。

医療保険デイケアは主治医の指示書が必要

精神科デイケアや医療機関が提供するデイケアでは、医療保険が適用されるため、主治医の診断と指示書が必須です。医師が現在の状態を確認し、通所が適していると判断した場合に利用が認められます。
医療機関を通じて申し込みを行い、プログラム内容の説明や利用頻度の相談が進められます。医療機関や専門職が関わるため、体調に配慮した支援を受けられる場合があります。治療の一環として位置づけられる点が特徴です。

利用開始までの流れと必要書類の事前の確認が重要

デイケアの利用には、介護保険証、医師の意見書、主治医の指示書、施設指定の申込書など複数の書類が必要です。
書類の準備には時間がかかることもあるため、早めの確認が欠かせません。利用開始前には、施設での面談や評価を受け、利用者の状態や課題を踏まえた計画が作成されます。流れを理解しておくことで、準備不足による遅れを防ぎ、スムーズに通所開始ができます。

デイケアに関するよくある質問

デイケアを利用したいと考える人や家族からは、利用内容や料金、送迎、利用時間など多くの質問が寄せられます。制度が複雑に感じることもありますが、ポイントを押さえておくと安心して利用を検討可能です。
ここでは代表的な質問を取り上げ、それぞれの仕組みや注意点をわかりやすく解説。初めて利用する人がつまずきやすい部分を先に知っておくことで、準備や判断がスムーズになり、不安も軽減しやすくなります。疑問を解消しながら、デイケアの利用を前向きに進めていきましょう。

どんな利用内容ですか?

デイケアでは、医師やリハビリ専門職の管理のもと、歩行訓練や筋力トレーニング、作業活動、発声・飲み込みの訓練など、利用者の状態に応じたプログラムを受けられます。
身体機能の改善だけでなく、生活動作の向上や社会参加の支援も含まれ、家庭での生活を続けるためのサポートが中心です。

送迎はしてくれますか?

多くのデイケアでは自宅から施設までの送迎が用意されており、家族の負担を軽くできる仕組みです。送迎の範囲は施設によって異なり、距離の制限がある場合や、特定の地域のみ対象となるケースもあります。
乗車の際には安全確保のための見守りや介助が行われ、移動が不安な人でも安心して利用可能です。送迎を希望する場合は、時間帯やルートの都合を事前に確認しておくとスムーズに利用できます。

料金はどのくらいかかりますか?

料金は要介護度・利用時間・加算内容により幅があり、具体的な金額は各施設の基準に沿って決まります。介護保険を利用したデイケアでは、基本料金に加えて加算が適用され、1回あたり数百〜数千円が一般的です。
負担割合は所得に応じて1〜3割で、個別リハビリが多い場合や長時間利用の際には料金が上がる傾向も。医療保険を使う精神科デイケアでは、医療機関の区分により費用が決まり、食事代や材料費が別途必要になる場合もあります。

利用時間はどのくらいですか?

利用時間は施設やプログラムによって幅があり、短時間のコースから長時間のコースまで様々に設定されています。短時間型では1〜2時間、一般的な通所では3〜6時間程度が多く、1日型の長時間デイケアでは6〜8時間以上の利用も可能です。プログラム内容や利用目的に合わせて時間帯が選択され、長時間利用の場合は食事や休憩が含まれます。
体力に合わせた利用が大切で、初めて利用する人は短めの時間から慣らしながら進めることも可能です。自分の生活リズムに合う時間帯を選ぶことで無理なく継続できます。

石井 麻衣
石井 麻衣
最初から長時間利用すると疲れてしまうこともあります。少しずつ慣れていくことで、安心して続けやすくなります。

まとめ:デイケアは日中に専門スタッフのもとでリハビリや生活支援を受けられる通所サービス

デイケアは、医師やリハビリ専門職による計画的な支援を受けながら、身体や心の状態を整えられる通所サービスです。身体機能の低下が気になる人や、退院後の生活に不安がある人、生活リズムを整えたい人など、幅広いニーズに応えられる仕組みが整っています。
介護保険・医療保険のどちらを利用するかによって対象者や手続きが異なるため、利用前に制度を理解しておくことが大切。デイサービスとの違いを意識しながら、自分に必要な支援がどちらかを選べる点も大きな特徴です。
申し込みではケアマネジャーや主治医と連携し、事前に必要書類を揃えておくことでスムーズに利用開始できます。適切なサポートを受けることで、自宅での生活の質を高め、前向きな毎日を過ごすための大切な支援となるでしょう。
記載されている情報は2025年12月時点の制度に基づいています。
参考文献・出典:

 

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