要介護の認定完全ガイド|申請方法・基準・区分・給付金まで徹底解説

2026.03.18

この記事でわかること

介護サービスを利用するためには、まず「要介護認定」を受ける必要があります。これは自立して生活できるか、日常生活のどこに支援が必要かを判断する大切な仕組みです。認定は「基準時間」と「心身の状態」をもとに段階的に分けられ、受けられるサービスの内容や費用が変わります。

申請は市区町村で行い、訪問調査や主治医の意見書を経て決定されます。この記事では、要介護認定の仕組みから申請方法、利用できる介護保険サービス、費用の目安、そしてよくある質問までをまとめ、介護を考えるご家族や本人に役立つ情報を整理しました。

要介護認定とは介護サービスを必要とする度合い(自立・要支援・要介護)を判定すること

要介護認定とは、介護保険制度に基づいて「どの程度の介護や支援が必要か」を公式に判断する制度です。

区分は「自立」「要支援」「要介護」の大きく3つに分かれます。自立は日常生活をほぼ問題なく送れる状態、要支援は生活の一部に手助けが必要な状態、要介護は基本的な動作を自力で行うことが難しい状態です。

この認定結果によって、利用できる介護サービスや給付額、自己負担が大きく変わるため、介護を考える際の第一歩となります。

「要支援」は、日常生活の一部において支援が必要な状態

「要支援」に認定される人は、基本的には自分で生活できますが、部分的に手助けが必要です。

例えば掃除や買い物、食事の準備といった家事が難しかったり、入浴や着替えに少し支援が必要な場合です。

要支援は1と2に分かれており、支援の度合いによって利用できるサービス内容や時間が変わります。主に「介護予防サービス」が利用でき、筋力を維持する運動や生活リハビリを通じて自立を長く保つことを目指します。

介護が本格的に必要になる前に適切な支援を受けることで、本人の生活の質を高め、家族の負担を軽減できる点が特徴です。

「要介護」は、日常生活上の基本動作を自分で行うことが困難な状態

「要介護」に認定されるのは、食事・排せつ・入浴・着替えといった基本的な生活動作を一人では行えない状態です。

要介護度は1から5までの段階に分かれ、数字が大きくなるほど介護にかかる時間や支援の必要性が増します。

要介護1では部分的な支援が中心ですが、要介護5になると生活のほぼ全てに介助が必要です。

認定結果によって受けられるサービスの量や種類が変わり、訪問介護、デイサービス、施設入所など幅広い介護サービスが利用可能になります。正確な認定は本人の生活を守り、家族の負担を和らげるために重要です。

要介護認定は『基準時間』と『心身の状態』の2つで決まる

要介護認定は、介護にかかる推定時間と心身の状態をもとに決められます。

基準時間とは、食事や入浴などの介助、家事の支援、リハビリや医療的ケアに必要とされる時間を合計したものです。

これに加え、調査員の訪問調査や主治医の意見書で心身の状態を確認し、総合的に判断されます。この仕組みにより、公平かつ客観的に介護度が決定されます。

要介護認定の基準によって受けられるサービス時間が違う

区分 内容
要支援1・2 短時間の生活支援・介護要望サービスが中心
家事支援や軽い見守りが主
要介護1・2 訪問介護やデイサービスなど、日常生活の一部に介助が必要
利用時間・回数が増える
要介護3 食事・入浴・排せつなど、生活動作の多くに介助が必要
在宅サービスと施設利用が現実的な選択肢になる
要介護4 ほぼ全ての生活動作に介助が必要
長時間・高頻度の介護サービスが前提
要介護5 全面的な介助が必要
介護時間が最も長く、施設入所が中心

要介護認定の基準は、日常生活でどの程度介助が必要かを時間換算して評価する仕組みです。この時間によって「要支援」から「要介護5」まで区分され、利用できるサービスの量が変わります。
例えば、要支援1では短時間の支援が中心ですが、要介護5では長時間かつ手厚い介護が必要とされます。
こうした区分により、利用者ごとに適した介護サービスを提供できるようになっています。介護時間の判定は公平性を担保するために、コンピュータ判定と専門家の審査を組み合わせて行われるのも特徴です。

要支援1:要介護認定等基準時間が25分以上32分未満

要支援1は、日常生活のほとんどは自立して行えるものの、一部で少しだけ支援が必要な段階です。
基準時間は25分以上32分未満で、掃除や買い物などの軽い家事支援や、入浴時に手助けが必要なことがあります。
利用できる介護サービスは介護予防を目的とした軽度の支援に限られ、リハビリや運動プログラムを通じて自立を長く維持することを目指します。将来的な要介護状態への移行を防ぐための重要なステップです。

要支援2:要介護認定等基準時間が32分以上50分未満

要支援2は、日常生活において支援がより多く必要な段階です。
基準時間は32分以上50分未満で、調理や掃除などの家事全般に支援が必要になるケースが増えます。また、入浴や着替えといった動作もサポートが求められることがあります。
介護予防サービスに加えて、より頻度の高いリハビリや生活支援を受けることができ、本人の自立を少しでも維持することが目的です。家族の負担を軽減しつつ、利用者が安心して生活できる環境を整える段階といえます。

要介護1:要介護認定等基準時間が32分以上50分未満

要介護1は、比較的軽度の介護が必要な段階です。基準時間は32分以上50分未満で、身の回りの一部に支援が必要になります。
例えば、入浴時に部分的な介助が必要だったり、着替えにサポートを要することがあります。
日常生活はある程度自立して行えますが、転倒のリスクや体力の低下がみられることも多いです。
利用できるサービスは訪問介護やデイサービスなどで、短時間の支援が中心となります。介護予防の観点からリハビリを組み合わせ、できる限り自分でできることを維持することが大切です。

要介護2:要介護認定等基準時間が50分以上70分未満

要介護2は、基準時間が50分以上70分未満の段階です。この状態では、歩行や立ち上がりなどの動作にサポートが必要で、排せつや入浴にも介助を伴うことがあります。
買い物や調理など家事の多くは難しく、外出時には付き添いが欠かせない場合もあります。
利用できるサービスは訪問介護やデイサービスに加え、必要に応じてショートステイを利用することも可能です。家族だけで介護を続けると負担が大きいため、専門の介護サービスをうまく活用することが推奨されます。

要介護3:要介護認定等基準時間が70分以上90分未満

要介護3は、基準時間が70分以上90分未満の段階です。歩行や食事、着替え、排せつなど日常生活の多くに介助が必要になります。
特に入浴や排せつは一人で行うのが難しい場合が多く、常時見守りや部分的な介助が必要です。
この段階になると、家族の介護負担はさらに大きくなり、施設サービスの利用が現実的な選択肢となることもあります。デイサービスや訪問介護の利用時間が増え、場合によっては特別養護老人ホームなどへの入居が検討されます。

要介護4:要介護認定等基準時間が90分以上110分未満

要介護4は、基準時間が90分以上110分未満の段階です。
食事、排せつ、入浴、着替えといった基本的な生活動作のほとんどに全面的な介助が必要になります。また、認知症の症状が見られる人も多く、徘徊や昼夜逆転などの行動がある場合も少なくありません。
自宅での介護は非常に負担が大きくなるため、施設サービスを利用する割合が高まります。特養や介護老人保健施設などで、24時間体制の介護を受けながら生活することが現実的な選択肢になります。

要介護5:要介護認定等基準時間が110分以上

要介護5は、最も重度の要介護状態です。基準時間は110分以上で、生活全般において全面的な介助が必要です。
自力での移動が困難なことが多く、寝たきりに近い状態であることもあります。食事や排せつも介助が不可欠で、医療的ケアが必要になるケースも多いです。
この段階では自宅介護はほぼ不可能に近く、特養や医療対応可能な介護施設に入所するのが一般的です。本人の尊厳を守りつつ、医療と介護が一体となったケアが求められます。
出典元:厚生労働省「要介護認定はどのように行われるか」(2025年11月時点)

介護認定は市町村への申請後、訪問調査で決定する

要介護認定は、市町村に申請してから訪問調査や主治医の意見書などをもとに決定されます。
まず介護保険の被保険者証を用意し、市区町村の介護保険担当窓口に申請します。その後、調査員が自宅や入院先を訪れて生活状況を確認し、主治医の意見書と合わせて一次判定・二次判定が行われます。
おおよそ申請から30日程度で結果が通知される仕組みです。

介護認定の申請は、市区町村の介護保険担当窓口へ

介護認定を受けるには、まず市区町村の介護保険担当窓口に申請書を提出します。
申請は本人や家族が行うことも可能ですが、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所が代行してくれる場合もあります。
申請時に必要なのは介護保険被保険者証、医療保険被保険者証、マイナンバーカードなどの書類です。
提出後、役所から調査員が派遣され、生活状況を確認する訪問調査が行われます。申請の段階で準備が整っていると、その後の手続きがスムーズに進みます。

地域包括支援センターや居宅介護支援事業所が代行可能

申請手続きが難しい場合は、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所に依頼することができます。これらの機関は介護の専門知識を持った職員が在籍しており、書類作成や提出のサポートを行ってくれます。
特に高齢の方や家族が遠方に住んでいる場合、代行申請は大きな助けになります。専門機関が関わることで、必要書類の不備や手続きの遅れを防ぎ、円滑に進められるのがメリットです。

介護保険被保険者証・医療保険被保険者証・マイナンバーカードなどが必要

申請に必要な書類は、介護保険被保険者証、医療保険被保険者証、そして本人確認書類としてマイナンバーカードや運転免許証などです。これらが揃っていないと手続きが進まないため、事前に確認して準備しておくことが大切です。
また、必要に応じて印鑑や申請書の写しを求められることもあります。事前に市区町村の窓口に問い合わせ、必要書類のリストを確認すると安心です。

要介護認定の申請後、区市町村の訪問調査員が自宅や入院先などを訪問

申請後は、区市町村から派遣された調査員が自宅や入院先を訪れ、本人の生活状況を細かく確認します。
調査項目は食事や排せつの様子、着替えや移動の状態、認知症による行動の有無など幅広く、家族からの聞き取りも行われます。これらの情報は一次判定の基礎データとなり、後の介護度判定に直結します。訪問時には普段の生活の様子を正確に伝えることが大切です。

判定分野①直接生活介助|入浴、排せつ、食事、着替えなどの介助にかかる時間

直接生活介助とは、入浴や排せつ、食事、着替えなど、日常生活の基本動作をどの程度一人でできるかを確認するものです。
介助の必要性や介助にかかる時間を調査員が観察し、基準時間に反映します。これにより、要介護度の判定に大きな影響を与える分野となります。

判定分野②間接生活介助|掃除、調理、買い物などの家事にかかる時間

間接生活介助では、家事に関する支援の必要性が調べられます。掃除や調理、買い物が一人でできるか、どれだけサポートが必要かを確認します。
生活を維持する力を把握するために欠かせない要素であり、要支援か要介護かの分岐点にもなります。

判定分野③問題行動関連行為|徘徊、不穏、昼夜逆転などの問題行動に対応する時間

認知症の症状として現れる徘徊や昼夜逆転、不穏な行動などが見られる場合、その対応にかかる時間が評価されます。
問題行動の頻度や重さは家族の負担につながるため、介護度を決めるうえで大切な要素です。

判定分野④機能訓練関連行為|歩行訓練、起立訓練、言語訓練などのリハビリにかかる時間

機能訓練関連行為は、歩行訓練や起立訓練、言語訓練といったリハビリにかかる時間を指します。
どの程度の頻度でリハビリが必要か、専門スタッフの支援がどのくらい必要かが確認されます。

判定分野⑤医療関連行為|経管栄養、褥瘡の処置などの医療的ケアにかかる時間

医療関連行為は、経管栄養や褥瘡(床ずれ)の処置など、医療的ケアにかかる時間が対象です。
医師や看護師の介入が日常的に必要かどうかを把握することで、介護度の判断に反映されます。

要介護決定までは「訪問調査」「主治医意見書の作成」「一次判定と二次判定」を実施

要介護認定の決定までには、いくつかのステップがあります。まず訪問調査で本人の生活状況を確認し、続いて主治医が意見書を作成します。その情報をもとにコンピュータによる一次判定が行われ、さらに専門家による二次判定で最終的な要介護度が決まります。
訪問調査では生活の様子を具体的に伝えることが大切で、主治医の意見書も重要な判断材料となります。この二重の仕組みにより、公平で客観的な判定が実現されます。

訪問調査の際は、介護内容・既往症・生活上で困っていることをまとめておく

訪問調査の際には、事前に介護の必要な場面や既往症、生活上の困難をまとめておくことが重要です。
調査員は短時間で状況を把握しなければならないため、情報を整理して伝えることで正確な判定につながります。
食事や入浴、排せつなど日常生活の細かな点、また認知症の症状や夜間の状態なども伝えておくとよいでしょう。

一次判定は、コンピュータで算出。二次判定は、訪問調査や主治医意見書で審査

一次判定はコンピュータが訪問調査の結果を数値化し、要介護度を仮判定します。しかしこれはあくまで機械的な計算です。
最終的には二次判定で、医師や介護の専門家が訪問調査の内容や主治医の意見書をもとに審査し、実際の生活状況を反映した要介護度が決定されます。

認定調査の期間目安は、通常30日程度

申請から結果が通知されるまでの期間はおおよそ30日程度です。
市町村によって多少の差はありますが、申請後すぐにサービスが使えるわけではないため、早めに準備することが大切です。
特に退院が近い場合や急に介護が必要になった場合は、地域包括支援センターに相談しながら進めると安心です。

不服申立制度|要介護認定に納得できない場合の対応方法

もし認定結果に納得できない場合は、不服申立制度を利用できます。
市町村に申し出を行うと、再審査が行われる仕組みです。特に要支援と要介護の境目にあるケースでは、利用できるサービス量が大きく変わるため、結果が生活に直結します。
申立には理由を具体的に示すことが求められるため、医師の診断書や生活の実態を裏付ける資料を添えると効果的です。

介護保険給付金は、要介護度に応じた支給限度額がある

介護保険では、要介護度に応じて支給限度額が定められています。
限度額は月額約5万円から36万円程度まで幅があり、この範囲内であれば1〜3割の自己負担でサービスを利用できます。
限度額を超えた場合は全額自己負担となるため、どの程度の支援を受けるか計画的に考える必要があります。

介護保険給付金は、介護段階によって約50,000円~約360,000円

介護保険給付金は、要支援1で約50,000円、要介護5で約360,000円が上限額の目安です。
利用できるのは訪問介護やデイサービスといった居宅サービス、介護施設への入所サービス、さらに福祉用具のレンタルなど多岐にわたります。
自己負担割合は所得によって1〜3割と異なるため、同じサービスを受けても支払う金額は人によって違います。限度額を把握し、必要に応じてケアマネジャーに相談して無駄なく活用することが大切です。

介護保険給付金は、居宅サービスに利用可能

居宅サービスには訪問介護、訪問入浴、訪問看護、通所介護(デイサービス)などが含まれます。自宅に住みながら受けられるため、多くの高齢者が利用しています。
限度額の範囲内で効率よく組み合わせることで、在宅生活を長く続けることが可能になります。

介護保険給付金は、施設サービスに利用可能

施設サービスには、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、介護医療院などへの入所が含まれます。要介護度が高くなると施設サービスの利用が増える傾向にあります。
費用は限度額の範囲内で保険が適用されますが、食費や居住費は別途自己負担が必要です。

介護保険給付金は、福祉用具レンタルに利用可能

介護ベッドや車いす、手すりや歩行器など、福祉用具のレンタルにも介護保険が適用されます。必要な用具をレンタルすることで、自宅での生活を安全に維持できます。
購入よりも費用が抑えられるため、利用者や家族にとって経済的な選択肢となります。

介護保険申請のタイミング|介護保険申請は65歳以上または特定疾病時に可能

介護保険の申請は、原則65歳以上の方で介護が必要になったときに行えます。ただし、40歳以上65歳未満でも特定疾病が原因で介護が必要な場合は申請可能です。脳血管疾患やがん、若年性認知症などがその対象です。
申請のタイミングを逃さず、必要になったときにすぐ行動できるよう知っておくことが大切です。

介護保険の自己負担はいくら?|所得に応じて1〜3割を利用者が負担

介護サービスを利用する際の自己負担は、所得に応じて1割から3割に設定されています。
年金収入や世帯収入によって負担割合が決まり、高所得者ほど負担割合が高くなります。利用者はこの割合をもとに費用を計算し、計画的にサービスを選ぶことが大切です。

介護保険の自己負担は要介護度・サービス内容・所得で決まる

自己負担額は、要介護度による限度額、利用するサービスの種類や頻度、そして所得によって変動します。
例えば、要介護3でデイサービスを週3回利用した場合と、施設に入所した場合では負担額は大きく異なります。ケアマネジャーに相談し、予算に合ったプランを作成することが重要です。

要介護認定に関するよくある質問

要介護認定に関しては、利用者や家族から多くの質問が寄せられます。特に多いのは「要支援と要介護の違い」や「認定区分を変更できるのか」といったものです。
これらは実際の介護サービス利用に直結するため、しっかりと理解しておくことが必要です。

要支援と要介護の認定ボーダーラインは?

要支援と要介護の境目は、日常生活の基本動作を自分でできるかどうかにあります。
家事など間接的な支援が中心であれば要支援、排せつや入浴など直接的な介助が必要であれば要介護と判定される傾向があります。このボーダーラインはサービスの利用範囲や費用にも影響します。

要介護の認定区分(要介護度)はどういうときに変更できる?

要介護度は一度決まっても、その後の状態変化に応じて変更可能です。
例えば、リハビリによって自立度が高まれば要介護度が下がることもありますし、病気や体力低下で介護度が上がることもあります。変更を希望する場合は再度申請を行い、訪問調査と主治医の意見書を提出する必要があります。

要介護認定は、自立を含めて8段階。介護時間と心身の状態で訪問調査や主治医の意見書などで判定

要介護認定は、自立、要支援1・2、要介護1〜5の合計8段階で判定されます。判定は訪問調査や主治医の意見書をもとに、介護にかかる時間と心身の状態を総合的に評価して行われます。
段階ごとの認定は、その後の介護サービス利用や給付金額を大きく左右するため、制度の仕組みを理解しておくことが大切です。

 

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