
ショートステイとは?仕組み・費用・利用の流れまとめ
この記事でわかること
在宅介護を続ける家族にとって、安心して頼れる選択肢のひとつが「ショートステイ」です。
この記事では、ショートステイの仕組みや正式名称、デイサービスとの違いといった基本から、利用対象者や種類(生活介護型・療養介護型)の特徴まで分かりやすく解説します。
さらに、実際の利用方法や当日の流れ、料金相場のシミュレーション、メリットとデメリット、利用シーンの具体例、よくある質問まで網羅。いざという時に迷わず活用できるようになりましょう。
ショートステイとは?在宅介護の負担を軽減する一時利用サービス

ショートステイとは、要介護者や要支援者が一時的に介護施設へ宿泊し、生活援助や医療的ケアを受けられるサービスです。
在宅介護を続ける家族の負担を軽くする目的で活用され、介護保険が適用されるのも大きな特徴です。介護度や体調に応じて「生活介護型」と「療養介護型」に分かれており、身体的なサポートから医療ケアまで幅広く対応できます。
数日間の利用はもちろん、1週間以上の連続利用も可能で、家族が安心して休養できる体制が整っています。
正式名称は「短期入所生活介護」「短期入所療養介護」
ショートステイは正式には「短期入所生活介護」と「短期入所療養介護」という2つの制度名で呼ばれます。
生活介護型は、食事や入浴、排泄など日常生活をサポートするのが中心で、比較的介護度が軽い方に向いています。
一方、療養介護型は医師や看護師が常駐し、医療的ケアやリハビリを行えるため、認知症が進行している方や医療依存度が高い方にも対応可能です。
いずれも介護保険制度に基づき提供されるため、利用する際はケアマネジャーに相談し、ケアプランに組み込む流れが必要です。
デイサービスとの違い|ショートステイは宿泊型、デイは日帰り型
ショートステイと混同されやすいのがデイサービスです。両者の大きな違いは「宿泊の有無」です。
デイサービスは日中だけ施設を利用し、入浴や食事、レクリエーションなどを受けて夕方には自宅へ戻ります。
一方、ショートステイは宿泊を伴うため、夜間もスタッフが見守り安心して過ごせます。
また、利用目的にも違いがあり、デイサービスは日常的な介護サポートや交流の場として利用されるのに対し、ショートステイは家族の休養や緊急時、退院後の一時利用など、より柔軟な使い方が可能です。
ショートステイを利用できるのは要支援・要介護認定を受けた人

ショートステイは誰でも使えるわけではなく、介護保険の対象となる人だけが利用できます。そのためには「要支援」や「要介護」の認定を受ける必要があります。
認定を受けることで、介護度に応じた費用でサービスを利用でき、自宅での生活を続けやすくなるでしょう。
要支援1〜2、要介護1〜5に認定された人が対象
対象は要支援1・2から要介護1〜5までと幅広く、軽度のサポートが必要な方から重度の介護が必要な方まで利用できます。
自宅での生活を維持しつつ、必要な時に一時的な支援を受けられるのが大きなメリットです。
40〜64歳でも特定疾病があれば利用可能
介護保険は65歳以上が基本ですが、40〜64歳の方でも特定疾病があれば利用できます。
初老期認知症、脳血管疾患、パーキンソン病などが代表例で、若い世代でも介護が必要なケースに対応できるのはショートステイの大きな特徴です。

ショートステイは生活介護型と療養介護型の2種類
| 生活介護型ショートステイ | 療養介護型ショートステイ |
|---|---|
|
・食事、入浴、排泄など日常生活支援 ・比較的介護度が低い人向け ・医療体制は限定的 |
・医師、看護師が常駐 ・医療的ケア、リハビリに対応 ・認知症、医療依存度が高い人も利用可 |
| ・一時的な宿泊利用 ・介護保険適用 |
|
ショートステイには大きく分けて「生活介護型」と「療養介護型」があります。どちらも一時的に施設を利用できる点は共通していますが、提供されるサービスの内容や医療体制に違いがあります。
介護度や体調に合わせて、どちらのタイプが適しているかを選ぶことが大切です。
生活介護型ショートステイ|日常生活支援が中心
生活介護型では、食事や入浴、排泄介助といった日常生活のサポートを中心に行います。比較的介護度が低い人に適しており、安心して生活できる環境を整えてくれるのが特徴です。
比較的介護度が低い人に適している
日常生活で少しの支援があれば自立できる人に向いています。家族が旅行や休養で一時的に介護できないときに利用しやすいサービスです。
医療体制は限定的で生活援助がメイン
医療行為よりも生活援助が中心となるため、病気や医療処置が必要な方には不向きな場合もあります。
療養介護型ショートステイ|医療ケアやリハビリに対応可能
療養介護型では、医師や看護師が常駐しており、医療的なケアやリハビリに対応できます。認知症が進んでいる方や、医療依存度が高い高齢者でも利用できるのが大きな特徴です。
医師・看護師が常駐し医療的ケアやリハビリを提供
医師や看護師が常駐しているため、体調の管理や医療行為が必要な方でも、安心して滞在できる体制が整っています。リハビリも受けられるため、自宅復帰の準備として利用されることも多いです。
認知症や医療依存度が高い高齢者も受け入れ可能
認知症や医療依存度が高い高齢者も受け入れ可能なため、自宅での介護が難しい方や、入院後に在宅生活へ戻る準備をしたい方にとって、療養介護型は大きな助けとなるでしょう。
ショートステイの利用方法
ケアマネを通じた契約が必要
ショートステイを利用するには、まずケアマネジャーを通じて契約手続きを行う必要があります。
利用者や家族だけで直接申し込むことはできないため、介護保険の仕組みに沿った手続きを理解しておきましょう。
利用開始までの流れ|相談→ケアプラン→契約→利用開始
ショートステイ利用は「相談」から始まり「ケアプラン作成」「施設との契約」「利用開始」という流れになります。
ケアマネジャーが窓口となり、必要な調整をしてくれるため、家族の負担を軽く進めることができますよ。
ショートステイ当日の流れ|送迎から夜間見守りまで一連で提供
当日は施設スタッフによる送迎から始まり、健康チェック、入浴や食事、レクリエーションが行われます。
夜間も職員が見守る体制が整っているため、安心して宿泊できるでしょう。
午前は送迎と健康チェック|午後は入浴やレクリエーションなど
午前中は送迎後にバイタル測定などの健康チェックを行い、午後は入浴や体を動かすレクリエーションで過ごします。
夜間もスタッフが見守るため安心して宿泊できる
夜間はスタッフが交代で巡回し、必要に応じて対応してくれるので、ご家族も安心して任せられるでしょう。

ショートステイの料金相場と内訳
| 料金の内訳 | ・基本利用料(介護保険適用・介護度別) |
| ・食費 | |
| ・居住費 | |
| ・日用品費・理美容費など(施設ごとに異なる) | |
| 利用期間 | 費用目安 |
| 1泊2日 | 3,000~8,000円程度 |
| 2泊3日~1週間 | 1~5万円程度 |
| 1か月連続利用 | 10~15万円前後 |
※保険外利用は20万円超の場合あり
※介護度が高いほど基本単価は上昇
※個室は多床室より高額
ショートステイの料金は、介護保険でカバーされる基本利用料に加えて、食費や居住費、日用品費などが発生します。全体の相場を知っておくことで、急な利用時にも慌てず準備できます。
ここでは具体的な金額の目安と、費用がどのように構成されているのかを詳しく見ていきましょう。
出典元: 厚生労働省「介護報酬の算定構造」
1泊2日の料金は3,000〜8,000円程度
ショートステイの短期利用では、1泊2日で3,000〜8,000円程度が一般的な相場です。
なお、正確な金額は施設の算定している加算や地域区分によって異なるため、利用前に事業所へ直接確認しましょう。
介護度が上がるにつれて基本単価が上昇する
介護度が高いほどケアの手間が増えるため、1日あたりの基本単価が上がります。
要介護1:約760円/日、要介護2:約840円/日、要介護5:約1,070円/日
例えば要介護1なら約760円、要介護2は約840円、要介護5では約1,070円が目安です。ここに食費や居住費などが加わります。
2泊3日や1週間利用で1〜5万円程度
ショートステイは連泊利用も可能で、2泊3日から1週間程度では1〜5万円が相場です。介護度が高い人や個室を利用する場合は、より高額になるケースもあります。
1ヶ月連続利用は10〜15万円前後(保険外なら20万円超)
ロングショートステイと呼ばれる1ヶ月の連続利用では、10〜15万円前後が目安です。ただし、保険外利用や加算費用がかさむと20万円を超えることもあります。
介護保険適用内なら10〜15万円前後
介護保険を使った場合、自己負担は1割〜3割となるため、比較的抑えた金額で利用できます。
全額自己負担では20〜30万円以上になることもある
介護保険が使えないケースでは、1か月で20〜30万円を超える負担となる可能性があります。
食費・居住費・日用品費は別途必要
ショートステイでは、介護保険でカバーされない生活関連費用も別途必要になります。
食費1日300〜1,600円が目安、居住費は多床室か個室かで異なる
食費は1日あたり300〜1,600円程度、居住費は多床室であれば安く、個室になると高額になるのが一般的です。
理美容や日用品費は施設ごとに差がある
散髪代や日用品の購入費は施設によって異なり、追加で請求される場合もあります。
【料金表】期間ごとの利用料金
実際にかかる費用をシミュレーション
ショートステイは介護度や施設環境によって費用が大きく変わります。
ここでは代表的なケースをシミュレーションし、実際にどのくらいかかるのかを表にまとめました。
シミュレーション例:要介護2の場合
| 利用期間 | 基本利用料(介護保険1割負担) | 食費・居住費など | 合計費用目安 |
|---|---|---|---|
| 1泊2日 | 約1,700円(840円×2日) | 約3,000円 | 約5,000円 |
| 1週間 | 約6,000円(840円×7日) | 約12,000円 | 約18,000円 |
| 1か月 | 約25,000円(840円×30日) | 約50,000円 | 約75,000円 |
シミュレーション例:要介護5の場合
| 利用期間 | 基本利用料(介護保険1割負担) | 食費・居住費など | 合計費用目安 |
|---|---|---|---|
| 1泊2日 | 約2,200円(1,070円×2日) | 約3,000円 | 約5,500円 |
| 1週間 | 約7,500円(1,070円×7日) | 約12,000円 | 約20,000円 |
| 1か月 | 約32,000円(1,070円×30日) | 約50,000円 | 約82,000円 |
利用料金のポイント
- 食費・居住費は施設ごとに幅があり、個室だと高め、多床室だと安めになる
- 医療的ケアや送迎などの加算費用がある場合は、さらにプラスされる
- 保険外利用や長期連続利用では、月20〜30万円を超えるケースもある。
ショートステイを利用するメリット・デメリット
ショートステイには家族にとっても利用者本人にとっても多くのメリットがありますが、同時に注意すべきデメリットも存在します。
事前に両方を理解しておくことで、安心してサービスを活用できるようにしましょう。
メリット|家族の介護負担軽減・在宅介護の継続をサポート
ショートステイの最大のメリットは、介護する家族の負担を一時的に軽くできる点です。
- 家族が旅行や休養をとる間も、安心して介護を任せられ
- 在宅介護を続けやすくなり、施設入所を先延ばしでき
- 利用者本人にとっても、レクリエーションや人との交流を通じて気分転換になる
家族も利用者も、心身のリフレッシュができるのは大きな魅力でしょう。
デメリット|長期利用が難しい・利用枠が限られる
一方で、ショートステイにはデメリットもあります。
- 介護保険の枠に制限があり、長期利用はできな
- 人気の施設は予約が取りづらく、希望日に利用できないことがあ
- 環境の変化に弱い利用者は、不安や混乱を起こす可能性がある
利用計画を立てる際には、こうした点を考慮してスケジュール調整を行うことが大切です。

ショートステイの利用シーン例
ショートステイは単なる介護サービスではなく、家庭の事情や利用者の体調に応じて柔軟に利用できるのが特徴です。
具体的な利用シーンを知っておくと、必要なときに迷わず活用できますよ。
家族の休養や旅行時の一時利用
介護するご家族が旅行や冠婚葬祭に出かける際、ショートステイを利用することで安心して外出できます。
普段の介護から一時的に解放されることで、ご家族自身の心身の健康を保つことにも繋がるでしょう。
在宅介護が困難になったときの緊急利用
突然体調を崩したり、家族が急な用事で介護ができなくなった場合にもショートステイは役立ちます。
事前に登録しておけば、緊急時にも対応可能な施設が多く、いざというときの安心材料になるでしょう。
退院後の在宅復帰準備のための利用
病院を退院した直後は、体力や生活リズムが整っていないケースもあります。ショートステイを利用してリハビリや介護を受けながら少しずつ自宅生活に慣れていくことで、安心して在宅復帰ができます。
ショートステイに関するよくある質問
認知症の人でもショートステイは利用できる?
多くの施設では認知症の方も受け入れています。特に「療養介護型ショートステイ」では、専門スタッフや医師・看護師が常駐しており、認知症の進行に合わせたケアが可能です。
ただし施設によって受け入れ条件が異なるため、事前に確認しておくことが重要です。
ショートステイは最長で何日まで利用できる?
介護保険制度では、原則として「30日以内」の利用が基本とされています。
ただしやむを得ない事情がある場合や市区町村の判断によっては、延長が認められるケースもあります。長期的に利用したい場合は、ケアマネジャーに相談して調整するのが安心です。
※本記事は2025年12月時点の制度に基づきます。制度改正等により変更となる場合があります
急に利用したいときでも使える?
急な体調不良や家族の事情で介護ができなくなったとき、ショートステイを「緊急利用」できる場合があります。
ただし空き状況や事前登録の有無によっては利用できないこともあるため、普段から候補となる施設を調べておくことが大切です。
ショートステイの仕組み・種類・費用を理解してから利用しよう
ショートステイは、在宅介護を続ける家族にとって大きな支えとなるサービスです。宿泊型で一時的に介護を担ってもらえるため、介護する家族の休養や急な事情、退院後の準備など、幅広い場面で役立ちます。
利用するには要支援・要介護認定が必要で、生活介護型と療養介護型の2種類から選べます。費用は介護度や利用日数、施設環境によって異なり、1泊2日なら3,000〜8,000円、1ヶ月の連続利用なら10〜15万円前後が目安です。食費や居住費などの追加費用もあるため、事前にシミュレーションしておくことが大切です。
また、施設によって受け入れ条件やサービス内容が異なるため、ケアマネジャーと相談しながら複数の施設を比較検討しましょう。仕組みと費用の内訳を理解し、準備を整えておけば、安心してショートステイを活用できますよ。
まずはお気軽にご相談ください。
